レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナリザ」
ルーヴルを代表する絵画と言えば、やはりレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」だろう。レオナルドが亡くなるまで手元に置き、筆を入れ続けたと言われるこの絵には、彼の持てる限りの技法が用いられている。レオナルドは、人の眼が認識しているのは光と影であり、物体には輪郭線がないと考えていた。そこで、制作にあたり、あえて薄暮の時間を狙い、陰影の微妙な現れを観察しながら描いた。これが、当時としては画期的な“スフマート”という技法である。
“神の微笑”とすら称えられる魅惑の微笑
「モナ・リザ」の魅惑の微笑は、「人間のものというより、むしろ神のもの」とすら称えられるような、複雑な印象を与えている。その微笑の秘密は、顔の左右が微妙に描き分けられている点にある。