故宮博物院
1925年、北京に設立された故宮博物院は、度重なる戦乱を逃れながら、48年には台湾へと移され、現在に至っている。2007年に建物がリニューアルされ、展示スペースが大幅に拡張された。展示品は、青銅器、玉器、陶磁器、書、絵画など多岐にわたり、年代的にも新石器時代から中華民国時代までと幅が広く、中国の美の歴史を網羅しているといっても良いだろう。中でも宋代の青磁が非常に美しく、北宋末期の汝窯で作られた青磁は最高峰の美しさと賞されている。
故宮を代表する名作“翠玉白菜”は必見
“翠玉白菜”は、翡翠の気品あふれる透明感が美しい、故宮を代表する名作だ。翡翠全体を白菜に見立てて施したきめ細かな彫刻が美しく、特に上部に刻まれた縁起物のキリギリスには、今にも飛び立ちそうなリアルな生命力があふれている。