130人のデザイナーが作った愛の盃

1996年2月29日夜、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場が3度目の火災にあった。再建のための募金活動が素早く開始されたが、その中でもひときわ興味深いのが、ミラノのスフォルツェスコ城で行われた“ゴーティ・デ・フォルナサ”の展示とオークションだ。これを企画したのは、14世紀以来ヴェネツィアのガラス工芸をリードしてきた、バロビエール&トーゾ社。130人のデザイナーが作ったゴーティをオークションにかけ、劇場再建の資金にしようという企画だ。

職人の一瞬の技が生み出す“ゴーティ”

“ゴーティ”とは、ガラス職人が身の回りにあるスクラップのガラス材から作り出したコップのことを指す。フェニーチェ劇場再建のために、130人の名だたるデザイナーたちが、この世に一つしかない愛の聖杯を生み出したのだ。

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