ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」

スペインを代表する画家と言えばベラスケスが挙げられるが、彼の作品の中でも最高傑作と呼ばれているのが「ラス・メニーナス」だ。

「女官たち」を意味する画題を持つこの絵画の原題は「フェリペ4世の家族」。縦横3mにも及ぶ大画面で繰り広げられるのは、華麗なる宮廷絵巻。

おそらくは国王夫妻の肖像画を依頼されたと推測されるが、単なる肖像画で終わらせないところが、ベラスケスらしい。

また、当時としては斬新な画法も取り入れられている。

“ア・ラ・プリマ”と空間演出の妙

絵具を飛び散らせたような荒々しい筆致を少し離れた所から眺めてみると、あたかも写実画のように見える。これが、ベネチア派に学んだ独特の即描法“ア・ラ・プリマ”だ。

また、登場人物をパノラマのように描いた空間演出は、マネやドガに先んじること200年の斬新な画法だ。

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