「ナポレオン1世の戴冠式」

1804年12月、パリのノートルダム大聖堂で行われた戴冠式により、ナポレオンはフランス皇帝として即位した。典礼服に身を包んだナポレオンが、ジョゼフィーヌに冠を授けようとする一瞬を描いたのが、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「ナポレオン1世の戴冠式」だ。その面積は約60平方メートルにも及び、ヴェネローゼの「カナの婚宴」に次いで、ルーヴルで2番目の大きさを誇る絵画だ。完成までに約3年という年月を要した大作となっている。

「ナポレオン1世の戴冠式」舞台の裏では…

実は、ここで描かれている場面は、全くの事実通りというわけではない。実際は、随所に脚色を加え、ナポレオンの独裁者的なイメージを避けながらも、彼がヨーロッパ最高の権力者であることを示した、政治的なアピール性の強い作品なのだ。

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