クロード・モネ「サンタドレスの庭園」

「サンタドレスの庭園」は、印象派の代表であるモネの、印象派以前に描かれた注目すべき代表作だ。 印象派の明朗な感性と技法を最初に表現した、先駆的な作品と言えるだろう。この絵には、印象派の原点である「色彩分割法」が取り入れられ、さらに、色の鮮やかさを強調するための反対色が効果的に用いられている。グラジオラスの赤と葉の緑、傘の黄色と海面のブルーなど、目立つ色同士を組み合わせることで、夏の陽光に照らし出された鮮やかな色彩が生き生きと表現されている。

構図には日本の浮世絵版画の技法が見られる

2階の窓から見下ろす形で描かれたこの絵は、単純な遠近法ではなく、構図が水平に三分割されている。これは、日本の浮世絵版画の遠近法である「三遠法」を手本にしたものだ。これにより、風景がカンバス面と平行に立ち上がっているように見える。

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