ジョルジョーネ「ユーディット」

ジョルジョーネ作「ユーディット」に描かれているのは、一見すると高貴で美しい女性。女性は穏やかな笑みを浮かべ、その背後には平穏な城下町の風景が広がっている。しかし、画面の下にはセクシーな足で踏みつけられる男の生首が…この意外性こそが、この作品最大の魅力だ。この絵画は、旧約聖書に登場する女傑・ユーディットを描いたものだ。生首となった男のどこか安らいだ表情から、この絵には“愛する美女に征服されたい”という、男性の密かな性愛が描かれているとも言われる。

真作が極めて少ない謎の画家による希少な作品

日本での知名度が低いジョルジョーネは、その真作が数えるほどしか存在しないという、希少性の高い謎の画家だ。長らくラファエロの作品と考えられてきたこの作品は、イタリアの美術史家ジョヴァンニ・モレッリによって真作と判断された。

ページTOPへ