オーストリア応用美術館

19世紀後半、ヨーロッパ諸国では美術館のオープンが相次いだが、その多くは民主化の流れに押されて、特権階級の豊富な美術品を民衆に開放する、というのが実情だった。そんな流れの中、1864年ウィーンに創設されたオーストリア美術工業博物館は、かなり特殊な目的を持って生まれた。それは、過去の優れた美術工芸品の展示によって、民衆の美的感受性を豊かにしようという啓蒙的な使命を持っていたことだ。また、19世紀末には、ゼツェッションの牙城として大いに活躍した。

コレクション量とアクセシビリティの高さがポイント

ルネサンス以降から現代まで、幅広い時代を網羅したコレクションは、30万点近くに及ぶ。このほかに、50万点以上ものプリントコレクションを所蔵している。また、施設面の充実化やシステム面での近代化を図ったことで、アクセシビリティの高い美術館となっている。

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